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【9月】野にやさしく揺れるすすきと、夕焼け空の蜜柑色

 朝晩の風にふと涼しさが混じり、長かった夏の終わりと確かな秋の訪れを実感する9月。どこかノスタルジックな空気のなか、旬の恵みが夏から秋へと切り替わってくる季節です。そんな移ろいの月の季節の植物は、秋の柔らかな陽射しを浴びて黄金色の穂を揺らす「すすき」。そしてイメージカラーは夕暮れ時の優しい空や、たわわに実る果実を思わせる温かな「蜜柑色(みかんいろ)」。9月は秋らしさを感じさせる組み合わせです。

 9月の声を聴くと、街の喧騒から少し離れた野原や道端で、優美に風にそよぐ「すすき」の姿を見かけるようになります。十五夜の月見にも欠かせないすすきは、古来より日本人にとって秋の風情そのものであり、実りへの感謝を象徴する大切な植物として親しまれてきました。9月の色として掲げる「蜜柑色」は、夏のぎらついた太陽とは異なる、どこかホッとするようなやさしさと温もりをたたえた色彩。それは沈みゆく夕日のノスタルジーであり、これから迎える豊かな収穫の季節を祝福する色でもあります。

 そんな実りの季節にお客様を待っているのが、やよい軒が誇る秋の風物詩「さんまの塩焼定食」です。やよい軒のさんまが特別な理由は、何と言っても「注文が入ってから店内でじっくりと焼き上げる」というこだわりにあります。焼きたてならではのパリッとした皮が美しい音を立て、箸を入れれば身からあふれるほどの上質な脂がじゅわっと広がります。さんま特有のほろ苦いハラワタの旨みと、ふっくらとした白身の絶妙なバランスは、秋になって回復した食欲をこれ以上ないほどにやさしく満たしてくれます。

 脂の乗った旬のさんまを引き立てるのは、たっぷりと添えられた真っ白な大根おろしと、爽やかな酸味のレモン。これらがさんまのコクをすっきりと仕立てる名脇役となるのです。だしのきいたみそ汁や小鉢とともに、お盆の上でさんまが鎮座する様子はまさにTHE定食。日本の秋を象徴する味わいです。

 待ちに待った秋だからこそ、やよい軒で旬の恵みをゆっくりと味わってほしい。私たちは今日も心を込めて、極上の焼きたての美味しさをお届けします。