一筆のようにまっすぐな、一期一会のひと皿
西洋の文化が流れ込む激動の明治時代に開業した西洋料理店「彌生軒(やよいけん)」。その看板は江間政発による力強い書でした。そして時は現在。創業期から続く妥協なき情熱と、今のやよい軒が大切にする「人の手による作りたて」への思いを、力強く躍動する赤の筆跡に重ね合わせました。
大胆に広がる色、鋭く走る線、静かに描かれる円。筆がとらえるのは、かたちではなく、その一瞬の力です。やよい軒の食事もまた、一つひとつの工程に、まっすぐ向き合うことで生まれます。調理の時間を短縮する。すべての味を均一にする。現在では難しいことではないですが、私たちはあえて人の手によって、粛々と手を抜かず、食材の1つ1つと向き合います。火を入れる瞬間、盛り付ける一手間、ごはんをよそう、その所作。どれも飾りすぎず、けれど妥協なく。
料理はやり直しができません。だから筆の一線に迷いがないように、一皿にもぶれない想いを込める。それが毎日食べても、まっすぐに「おいしい」と感じられる品質に繋がります。食べることは、日々をかたちづくること。お客様だけでなく料理にも一期一会の思いを込めて、一筆のようにていねいに。今日あなたに運ばれる定食は、明治から続くやよい軒の歴史の中で最高の一品です。